はじめに
左右非対称の腫れ・痛みが同時に起こっている。または皮膚の変色を伴っている場合は、エコノミー症候群等の緊急性の高い疾患が隠れいてる可能性があります。医療機関への受診し然るべき治療を受けて下さい。
本項で紹介する浮腫に関しては、循環器疾患や臓器不全を伴っている場合では十分な効果は発揮できません。
その場合は、当ホームページのお問い合わせ欄からのご連絡をお待ちしています。直接施術の可否に関しては、お問い合わせ状況にてご判断致します。
症状
一般的に体内の水分で身体が腫れている状態です。
主に手・足・顔に症状が出やすい傾向にあります。
人間の体液は体重の60%を占めており、その内の細胞内液が約40%、細胞外液が20%と言われいます。
浮腫に直結するのが、この細胞外液です。
この細胞外液は血液成分の血漿と間質液(細胞と細胞の隙間にある空間にたまる液)で構成されており、血漿:間質液3:1(4:1)の比率となっています。
各細胞組織に栄養を供給する上で、上記バランスは保たれている必要があります。バランスが破綻し間質液の量が過剰になっている状態が結果としてむくみとなっています。
原因
上記に重複しますが、間質液の増加によりむくみが起こっています。
この間質液の増加の直接的な要因には、
・毛細血管の動脈から間質液が過剰に押し出される
・間質液から毛細血管の静脈への吸収が弱い
・リンパ管への通過障害・閉塞
という事が大きく影響しています。
3点の原因を更に詳細に分けると下記の要因が含まれます。
1)循環血漿量の増加
塩分の過剰摂取や腎臓機能低下等による尿の排泄量の低下等が起こると体内に水分(循環する血液量)が貯まります。容量が増える事で血管内圧が高まり、間質から血管への水分の移動が弱化します。また血管から間質へと水分が漏出する。
2)静脈圧の上昇
静脈の血流が循環しにくくなる事(=渋滞状態)で血管内圧が高まり間質から血管への水分の移動が弱化します。
3)血管内へ引き寄せる力の弱化
血漿蛋白(=アルブミン)が低下していると、間質から血管へ水分を移動する力が弱化します。外傷やタンパク尿(ネフローゼ症候群等で過剰に排出される)肝機能低下(アルブミン生成が出来ない)・低栄養状態でもアルブミン低下を招きます。
4)血管透過性の亢進
アレルギー反応によるヒスタミン等の関連物質の作用により毛細血管の隙間が広がり間質へ水分が漏出しやすくなります。外傷等でも起こります。
5)リンパ管閉塞
間質液の水分の一部はリンパ液としてリンパ管に吸収されますが、リンパ管が狭窄・閉塞している場合は水分が溜まり浮腫を起こします。代表的な例として腫瘍による狭窄やリンパ節摘出術(乳癌手術では同側上腕、子宮癌手術では同側下肢)等によるリンパ管切除、寄生虫感染や蜂窩織炎等があります。
その他、副腎皮質ステロイド(鉱質コルチコイド)が正常に機能していない事で、血圧や血流量調整にエラーが起こっている事も考えられます。
上記で紹介した要因の負担を減らす為にどういう原因で起こっているか知る必要があります。
1)循環血漿量の増加 ・・・過剰な塩分摂取により助長している可能性があります。
2)静脈圧の上昇 ・・・筋肉等の組織により物理的に血管圧迫が起こっている場合と、筋肉の収縮-弛緩によるポンプ作用の低下により循環不良が起こっている場合があります。
3)血管内へ引き寄せる力の弱化・・・アルブミンを増やす為の食事を心がける必要があります。火傷・外傷がある場合は適切な処置が行えておらず治癒が遅延している可能性があります。また血行不良によりヒスタミン等のアレルギー関連物質が放出されている可能性があります。
副腎の機能が悪い場合は、胸椎の10番目-12番目のラインが不調を起こしている可能性があります。
その他、重篤な疾患が隠れている可能性もあります。その場合はまず受診する事をお勧め致します。
対策
食生活を整える
過剰な塩分摂取は控える事
良質なタンパク質を摂取する事(肉・魚・大豆・卵・乳製品)
飲酒にもご注意下さい。飲酒は毛細血管から間質へ水分が漏出しやすくなります。
筋肉を柔らかくし血行を整える
手・足・顔に分けてご紹介致します。
顔
耳の孔から鎖骨までの床に垂直のライン全てがターゲットとなります。指を当てて首を前後左右に動かします。ターゲット範囲内全てを満遍なく行うとより効果的です。
※リンパ管のアプローチの為、押すのではなく触れる程度でお願いします。
手
鎖骨周辺から筋肉の硬い場所を見つけ指で抑えながら首を前後左右、肩を大きく回す動きを繰り返します。
鎖骨周辺の筋肉の硬結が解消されるまで、少しずつ固定する指をずらして行って下さい。
指を抑えた箇所3回✖️2セット 肩回しは3回✖️2セットで様子を見ていきましょう。
足
足全体がむくんでいる場合は、鼠径部前面(コマネチライン)がターゲットとなります。指で筋肉を軽く押し当てた状態で足回しや足踏みを行ってください。指を抑えた箇所3回✖️2セットを全範囲行っていきます。
膝から下がむくんでいる場合は、膝の裏側の関節ラインがターゲットとなります。指で筋肉を軽く押し当てた状態で膝の曲げ伸ばし運動をゆっくり行って下さい。指を抑えた箇所3回✖️2セットを全範囲行なっていきます。その他、立った状態で踵上げ運動を行う事も静脈ポンプ作用には効果的です。
くるぶしから足先までむくんでいる場合は、足の指をしっかり動かす(曲げるー伸ばす、足首・足指を回す)運動を行って下さい。曲げ伸ばしは大きく5回ずつ。 足首・足指回しは3回ずつからで結構です。
※副腎ラインの筋肉を柔らかくする方法に関しては、
脊柱起立筋と呼ばれる表層の筋肉を柔らかくする事を行って見て下さい。
脊柱起立筋の緩め方に関しては他記事でもご紹介しておりますのでご参照下さい。
その他の方法としては、椅子に座った状態で背骨の胸椎10-12番ラインの高さの脊柱起立筋を指で抑えた状態で体を前傾→直立→前傾→直立で行い筋肉に動きを与えるようにしていきましょう。
さいごに
顔面・手・足の角部位に分けたむくみの運動法をご紹介しました。運動法に関しては即効性があるものですが、浮腫が引かない場合は、何か他の原因が隠れいる可能性もあります。
私のお客様で、降圧剤や足の痙攣(こむら返り等)を抑える薬を服用され続けた結果、むくみを引き起こしているケースがありました。上記で紹介したセルフケア方法を行っても改善が進まない状態でしたが、常飲薬を卒業する事で以前より浮腫みが引きやすく、運動法のみで足の鈍重感の緩和や顔面の浮腫みもケア出来るように至っております。常飲されている薬に不安を感じた場合は、医師・薬剤師に確認し内服を続けるか中断するか相談する事もお勧め致します。
また顔面・手・足の即効性のある運動法ですが、背中・骨盤の状態が崩れている場合は別途調整する必要があります。個人個人にあったセルフケア方法等のご提案の為に直接お伺いする事も可能ですので、お問い合わせ下さい。
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